大好きな作家、谷崎潤一郎の晩年の結婚生活とそれを取り巻く人々を題材にした作品です。
大好きな作家、谷崎潤一郎の晩年の結婚生活とそれを取り巻く人々を題材にした作品です。
移動の飛行機の中で見ました。
歴史物なので、利休の最期なんてのは知ってるんですけども、泣かずにはいられなかった…。梅の花なんてこれからはもう涙なくしては見られないかもしれない、というくらいグサグサ刺さりました。
秀吉の文化芸術を解さないところをこれでもかと表現するのって、このところ一つのパターンになってますが、1時間ほどの間にそれがみっちり積み上がっていってもう本当に腹立たしいのなんの。そもそも金ピカ好きってのがモロに下品なんだけど、「それは好みの問題として横に置いておきましょう」いうのに、自分の趣味を押し付けて心の中まで従わせようという横暴さ。しかもここで表現される秀吉に葛藤はなく、ただただ傲慢。信長の言葉なんて理解せず、形だけを真似ていることが後半になってよくわかる。そこに乗り込んでいく専好の覚悟。信長に呼ばれて行くときとのコントラストがまた泣ける…。
秀吉にとっては芸術を理解しないというのは不幸な話でもあって、本人も多分それを多少なりとも自覚しているからこそ、真似事だけはせっせとしているつもりなんだと思んですね。教養もないところからの成り上がりで、相手の背負ってるものを気にしない人だからこそ天下人になれたともいえるんだけど、それはいつまでもバカにされる材料でもある。もっと謙虚に教えを請いたり、自分より知ってる人を敬うことができてたら豊臣家の運命自体も違ったのでしょうが、あくまでそれは「あったかもしれないもうひとつの未来」でしかないので…。
ところで、佐藤浩市さんが利休っていうのは、ちょっとエロすぎない?と思ったんですが(個人的にベスト利休は『江』の石坂浩二)、三國連太郎も利休を演じてたし、オマージュかなぁ…などと思いながら見ていました。まぁ、エロかったです。まだまだムンムンしてますね。ムンムン。
池坊専好を演じた萬斎さんについては、表情の豊かさが過剰に見えるときもあるんだけれど、それを差し引いても所作の美しさには見惚れるし、萬斎さんは喜と哀を上手に使う方なので、後半の専好の苦しみがぐっときましたよ…。
しかしこの映画、当時の死人や罪人、河原者の描写など結構エグい。大河ドラマ『おんな城主 直虎』に通じるものがあって、戦国時代の死生観や死体の扱い方なんかがエグいほどリアルに描かれているので、見ておくと先々の戦国物を見るときの理解が深まるのでは。。。
と思ってたら、脚本は森下佳子さんじゃないですか!
また森下さんにやられたー!
ところで、私は大河ドラマ好きなんですけどね、猿之助さんと佐々木蔵之介が同じ画面にいると『風林火山』と錯覚しちゃってですね…。つか、猿之助さん歳とらなさすぎませんか…。
突然ですが、「うつ」と診断されたことはありますか?
では、周囲に「うつ」の人はいますか?
私には身内に「うつ」と診断され、引きこもり生活をおくる人がいます。そして私自身、過重労働で心身共に疲れ切った生活を送っていた経験があり、「うつ」と診断されたのは自分かもしれない、という気持ちがあります。なので、病気への理解をアップデートするために色々と探していて読んだのが、安倍結貴さんの本でした。
こちらの本には、うつになったときの対策や心構えなどが書いてあります。でも、「うつ」になってから読むには情報量がちょっと多いかな。なので、本を読んでメモを取れるくらいの元気があるうちに、もしくは身近に「うつ」の人がいたり、身近な人が「うつ」になるんじゃないかと心配している人に是非オススメしたいと思います。
なんせ安倍さんは「うつ」の10年選手。その間に良くなったり悪くなったりしているようですが、病気について非常によく理解されています。きっと主治医の先生との関係も良好なんでしょう。このくらい自分のことを客観視できれば、と元気な状態でも思うほどです。
「うつ」は脳内物質セロトニンの分泌がきちんとされていないことが要因であり、一度分泌が減ってしまったそれを戻すのは大変である、ということがこの本には何回も出てきます。こういった理屈は非常に説得力があるし、多分過労をやったあとの体力の衰えなんかも同じようなメカニズムがあるんだろうなーなんて思ったりして、応用も効きます。一番つらいのは「何故こうなのか」という状態なので、そこがしっかり説明されているというのは非常に心強い。なので、「うつ」を理解するにはおすすめの一冊といえます。
こちらの本は安倍さんが精神科に入院したときの入院記です。
私は親しい友人が精神科で働いていた経験があり、精神科というものは恐れる必要がないものだということを聞いていました。それでも世間一般では「精神科に入院する」というのはかなり特殊な目でみられること、『17歳のカルテ』のような困ったレベルの高い患者に囲まれて暮らすこと、などを想像してしまいがちです。こちらの入院生活記録はそんな偏った考えを変えてくれる本でした。
なによりも「疲れたら入院してゆっくりしたらいい」というのは目からウロコでした。最近はそういう理由で入院を受け入れている病院があるということ、また「ゆっくりする必要のある人」がいること、そして「うつ」という病気が「脳内物質セロトニンの分泌異常」であるという理解がすすんでいることがわかります。この本は「うつ」と「精神科」への敷居を下げた本と言えるかと思います。
こちらは安倍さんの長年に渡る闘病記ですが、読んでいて「これは私だったのかもしれない」と思う場面が多く、実はこの3冊の中で一番つらい本でした。でもタッチは明るいし、決して悲観的ではないのですが。
周囲の人間の理解がすすまないことにはいつまでも「なんだサボりか」などと言われ続けるわけで、患者も自分を責めるばかりになってしまいます。 「うつ」でつらいのは本人です。そこに寄り添い、共に社会復帰に向けて考えていくというのは大事なことだと思います。そのためにも「うつ」への理解を深め、心無い言葉でおいつめるようなことのないよう、そしてときには専門家と二人三脚で歩める体制づくりをするためにも、こういった本が知られるとよいな、と思っています。
「ストレスを感じているうちはいい、問題は感じないストレスだ」とは、精神科勤務時代の友人の言葉ですが、そう考えると「うつ」になるのは明日の私自身かもしれない。ストレスの多い現代社会だからこそ、予防のためにも理解のためにも、そして明日の自分自身のためにも備えはしておきたいと思いました。
とにかく無理はいけないね。
毎朝息子のためにお弁当を作っている。給食も学食も購買もないので仕方がない。お弁当屋さんにお願いすることはできるけど、あとで精算しなくちゃいけないし、1食100バーツ(だったと思う)なんて随分と贅沢すぎるし続かない。
いつも 朝5時に起きて手を洗い、顔洗い、猫のごはんをあげ、そこからお弁当に取り掛かる。土日に 作り置きしておくものもあるので 実際にかかる時間と手間はさほどでもないが、金曜日になるともうネタ切れだ。そんなときにはチャーハンかオムライスになる。息子は好きなものなら毎日食べたい人なので文句を言わないから助かる。
そういえば、子供の頃に食べたお弁当に何が入っていたかあまりよく覚えていない。母が作るだし巻き卵の味があんまり好きではなく、卵焼きが入っているとがっかりしたのはよく覚えている。けれど他のおかずはどうだったか、全然思い出せない。
息子には「ハンバーグいれないで(←ハンバーグが嫌い)」「唐揚げイヤ(←最近食べられるようになった)」などと言われているため、煮物やさっと焼いたお肉程度が多くなってしまう。それだと嵩がないし腹持ちもよくないので結構大変だ。好きなものを揃えていくつも入れてあげようとしても、弁当箱には限度がある。
お弁当レシピ本は数冊買ったけれど、「とてもじゃないけれど時間がないや」というようなものや、味覚がちょっと子供らしくない息子の口にはあわなかったりで、結局いつも参考にするのはこの2冊になった。
ベーシックなレシピが多くてハズレなし。めちゃくちゃ重宝してます。
スマホに入れておいて(Kindle版あります)お料理しながらレシピをチェックできるのもいいところ。南国暮らしでも参考にできるもの多いですよ。
すごくすごくすごく困ったらこれ。短時間にチンで仕上げるものが多いので、他のことしながらできるからいいです。井上かなえさんのお子さんたちの話も挟まれていて、同じ「お母さん」として共感できるところが多いのもいいところ。頑張ってるのは私だけじゃない、みたいな。
お母さんとしての仕事って色々あるけれど、うちみたいに子供と接する時間が少ない母親が仕事をしているような家庭では、お弁当を残さず食べてくれるってすごく貴重な「コミュニケーションの手段」なんだよねぇ。
どんなに眠くても、せめておにぎりとソーセージだけだとしても、なにか手作りのものを持たせてあげたいと思っちゃうので、お母さんは少し頑張り続けます。
ずっと気になってて、ようやく見れた作品。
将棋が大好きで大好きで、大好きがゆえに延命よりも将棋のそばにいることを決めて生き抜いた”羽生世代”といわれる若手棋士の村山聖さんのお話。
個人的には、村山さんのご両親はなぜ治療することにもっと積極的にならなかったのだろうか、本人も「将棋と寄り添っていたい」のならば何故もっと健康管理をしなかったのか。そこがどうしても理解できなかった。それとも、長くない命と知ってたからこそ、太く短く燃やすことを選んだのか。
私も子どもがいるけれど、自分の子にあそこまで好きにさせてあげられる自信はない。ただ、映画で描かれた以上にご本人が自立して生きることを望んでいたり、ご両親も難病によって先行きが見えにくかったのかな、とかとか色々と考えてしまった。(このあたり、原作本読むとわかるのかな)
それにしても将棋の世界(勝負の世界)はなんと厳しいものか。全く知らなかった将棋の世界、あんなに裾野が広く、なおかつ熾烈な「実力勝負」があり、力のある人は許される世界であり、多くの人が虜になるドラマがある。その中でも村山さんは病気を抱えながら、破天荒な強さで注目を集めていく。すごい、この人。酒の飲み方も将棋への集中力も、そして生きることへの向き合い方も。「執着」が将棋の名人になることで、生きながらえることではなかったことが驚きだった。生きてなかったら名人になれないのに。
かといって破滅型思考というわけでもないし、独特の思想があったんだろう。まだまだ若かったし、そういうことを言葉に残すすべも持っていなかったのかもしれない。そんなに自分の命をかけられるものがある、というのはちょっとうらやましい気もするけれど…。だからこそ「伝説の棋士」なんて呼ばれるんでしょうけれど。
それにしても残される方はつらいですね。思い出すことはあっても、それに勝つことはもう叶わないから。
この映画で将棋というものの熱気に当てられ、父に教わって将棋をさしてみたりしたのですが、なかなか勝つのは難しく、先を読むのが難しく、将棋の醍醐味を味わえるようになるまでの道のりは遠そうです。。。
で、このアプリでちまちま練習中。