また、明日。

マイペースにやってます。

映画 『64 - ロクヨン』

見ました!横山秀夫の原作と超豪華キャスト!面白くないわけがない!!

 

64-movie.jp

 

一気に前後編を見ましたが、すごく見ごたえありました。昨今ありがちな「テレビでもよかったんじゃ」という気持ちにはならず、俳優さんの演技ひとつひとつをじっくり見るのも楽しく、また次から次へと豪華なキャストの登場でまったく飽きることなし。ストーリーが良くて(横山秀夫だからね!)さまざまな要素がつながりあっている展開も充実していましたし、心理描写に余白があるのがよかった。全部を見せない、説明しすぎない、これは演出するほうも気を使ったんじゃないでしょうか。ベテラン俳優の方々がその分しっかり演技で見せてくれたし、若手の皆さんも気合いが入ったんじゃないかと勝手に想像してます。(その想像だけでも楽しい)

 

ちょっと広告コピーは盛りすぎでは…と思わなくもないですけど、でもとにかくよかった。久しぶりに骨太な邦画を見ました。

 

では、以下は俳優さんごとにコメントを(ただの個人的趣味です)

  • 佐藤浩市は男くささがすごいですね。ちょっと卑屈な顔をするあたりとか、ぞっとするような「中年男」っぷり。セクシーかつかっこいい年上男性というよりは見事に「中年男」でした。そして永瀬正敏ふんする翔子ちゃんのお父さんの泣き声に目をそらすあの演技。人はああいう顔する。うん、する。
  • 綾野剛がよかった…!考えに考え、じっと堪え、そして後半に爆発するあの演技。もう少ししかめっつら減らしても良かったかな、と思うけど(笑)若手俳優さんが多数出ている中、個人的には「この人の演技は信用していいんだな」と思いました(えらそうだな、私)
  • 榮倉奈々好きなんですが、制服ものだからなのか『図書館戦争』とかぶる…。そういう意味では「お飾りの女性警官」に甘んじてる姿にイラッ!でもそれが警察という組織なんだろうなぁ。男社会だものなぁ…。
  • 赤井英和が普通にしゃべって演技してるだけで涙が。
  • 筒井道隆といえば90年代のハートスロブ。当時、OLのお姉さん方が「子犬のような目が!かわいい!」とメロメロだったのを思い出しました。調べたら45歳ですって。若いなー。
  • 吉岡秀隆って46歳ですって。ずいぶんと若々しいですね。ちょっと不器用で影のある役がほんとによく似合う…というか、うまい。自らのフィールドでうまく演技してる感じで、見てて安心感が(完全に純の役柄を引きずってみています)
  • 窪田正孝は引き出しがすごいですね。そして昭和な風景になじむところがまたヨシ。個人的には『アルジャーノンに花束を』を見ていて「自分のせいではない理不尽な理由で苦労と貧乏を背負う人物が似合う俳優として、萩原聖人の後を継げるのはこの人しかいない!」と勝手に確信いたしましたので、是非とも昭和を舞台にした作品に、できれば苦労人役で出ていただきたい。40歳くらいになったときにどんな役者さんになってるのか楽しみです。
  • 中村トオルが出てくるとあぶ刑事にみえて仕方ない(たぶんそう思ったのは私だけではないはず)
  • 県警本部刑事部は濃い!濃すぎる!
  • 柄本佑がぶったおれるシーン、デジャヴですかね…。ああいうシーン、どこかで見たことある気がするんですが、実際の事件でありませんでしたっけ?
  • 緒方直人はさすが…!鬼気迫る演技!お父さんを引き合いに出すのはフェアじゃないかもしれませんが、あの親にしてこの子あり、といいたくなりました。やさしい顔立ちだけど、あんなにすごい形相ができるとは(いや、顔芸的なことではなくて演技として)
  • 三浦友和はなにをしてもかっこいい(昭和生まれ、百恵ファンなわたくし)

 

横山秀夫ってハズレがなくて、個人的にものすごく好きな作家さんです。もともとはミステリー好きな父に教えてもらったんですが、『64』も読まないといけないですね。長編ですから、年末にでも挑戦しようかな。

 

 

Kindle Unlimitedにもあります、横山秀夫作品。これは短編集ですが、1編1編の中身が濃くて余韻がすごい。オススメです。 

深追い (ジョイ・ノベルズ)