また、明日。

マイペースにやってます。

映画 『築地ワンダーランド』

一度だけ、築地に足を運んだことがあります。年末にお正月用食材の買い出しに。その時のことはもうあまり覚えていないけれど、とにかく活気とモノがすごくて圧倒された、ということだけは記憶にあります。それ以外には、祖母がエビフライをつくるときには築地まで買い出しに行っていたという母の思い出話や、父の仕事の関係で、毎年築地のお魚屋さんからマグロや数の子、いくらが送られてくる、ということが「築地」という言葉から思い出されるものです。

 

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今では世界中のレストランや料理人に食材を提供し、世界中から観光客が訪れる築地市場。築地はあまりにも当然のようにそこにあったため、これまで客観的にその存在意義を見つめることなく過ごしてきたような気がします。

 

この映画では築地という大きな市場の成り立ちや、そこで働く人たちの姿がみられるわけですが、そのかっこいいこと!!!魚と、食と、職人と消費者に向き合い、プライドをもって働くその姿は「かっこいい」の一言しかありません。それぞれのプロが、それぞれの気概をもって、それぞれの信念に基づく仕事をする。なんてかっこいいことか。

 

市場では氷を大量に使い、鮮度を保つために気温が低いからでしょう、みなさんまるで真冬かのような恰好。買い付けにいく職人さんたちも同様。魚の入った箱を上げ下げしたり、非常に過酷な職場だと思います。そんな場所で働く無骨なおじさまたちの語り口は非常にきっぱりとしています。これが「プロ」か、と。先代から受け継いだ仕事をそのまま惰性にのせてしまうのではなく、自分たちの立ち位置と本分を見極め、「次」につないでいくためにとにかく必死で仕事をしている。その「次」が自分の店や仕事の後継者というだけでなく、給食を通じて次世代にまで食文化と食の大切さを教えることまで含んでいる、という事実に私は涙が出ました。ほんとに。

 

タイの食文化は「外食」が中心で、必ずしも家庭で食事をつくって食すことがベストとはされていません。昨今の食育ロハスライフは素敵だと思うものの、私のライフスタイルとはあわないなーとおろそかにしていました。食事は、次世代を育てつなぐためのもの。一番の体験学習なんですよね。白身の魚の味がわかるのは日本人が一番だ、といいますけども、そういう舌は「育て」なくてはいけない。もう少しおじさんたちの仕事に応える消費者にならないといけない、次世代を育てている立ち場としてももっと能動的に考えなくてはいけない、と思いました。

 

そんな風に真摯に働く人たちをさしおいて、豊洲への移転問題が大きく揺れています。東京都、もう少しまじめにやろうぜ…。

 

それにしても河豚、鱧、鮎、鯛、平目…どのお魚もおいしそう!!!私、こんなに魚好きだったんだ、と自分でも驚くほどでした。「築地で季節が感じられる」という言葉、本当にそうだと思います。テロップなくてもお魚みるだけで季節が意外とわかるもの。私、こんなに魚好きだったんだな。もともとそんなに魚好きではないはずなんだけど。「生産者の顔が見える」ということは、こういうことも含むんでしょうね、きっと。

 

Tumblrアカウントもあるよ。穴子屋のおにいさんが映ってないのが残念…。

tsukijiwonderland.tumblr.com