先日の玉井次郎さんの本を読んだ後、関連書籍のところでamazonさんに紹介されたのでこちらを読んでみました。風俗業界男性経営者による裏話です。
私は関東の人なので飛田という遊郭の存在を知ったのはかなりあと、じつはここ数年のことです。後述する本にNHKで取り上げられた話が書いてありますが、たぶん私が飛田を知ったのはその番組だったと思います。一見、ふつうっぽい家並・街並みに突如あらわれる色街の姿に驚いたのを覚えています。
そこで経営者として10年暮らしていた杉坂さん。男性の欲望の最前線で女の子たちをいかに見つけ、働かせ、そして事業をまわしていたかをつぶさに語っています。この本の真偽は私にはわかりませんが、良いも悪いもない、必要としている男性と女性がいる、ということ、そして歴史を守って街を守る仕組みがあることがひしひしと伝わってきました。
杉坂さんは淡々と事実として飛田を必要とする女の子たちの姿を描いています。その視線は思いやり(っぽいもの)だったり、寄り添うような姿だったり、ときにがっかりするという人間らしい姿です。春を売る仕事というとお涙ちょうだいストーリーを期待する人が多いと思うのですが、もっとスコーンと突き抜けた明るさと人間らしさ、私達の日常と変わらない姿を感じます。飛田の仕事も、仕事ってことかな。
続いてこちらの本も読んでみました。
先に記載したNHKの番組について書かれているのはこちらの本のあとがき。飛田が置かれている状況を説明し、時代に寄り添う姿を模索していることを目的としてカメラを受け入れたということが中の人の視点でかかれています。
こちらの本の内容は、前作よりももう少し物語的というか、実際に働いていた女の子の姿をもとにして描いています。こっちのほうが飛田経営の覗き見趣味を満たしてくれるかも。どこまで本当の話かはさておき。
「女は体を売ればいいんだから楽だよな」って言う人もいるけれど、それを買う男性がいるという事実を忘れちゃいけない。そして経営する男性がいることも。当たり前といえば当たり前だけど、そんなことをバンコクの風俗街に近い場所に暮らしながら考えています。
玉井さんの本についての過去記事はこちら。
ご本人にコメントいただき、大変恐縮です。
そしていまさら気づいた…。玉井さんじゃなくて玉さんなんだ…。
そういうことか…(遅い)