ようやく読み終えました。
一家でインドに長期滞在した英国一家のあれやこれやのお話。
著者のマイケル・ブースは『英国一家、日本を食べる』というエッセイを書いていて、私はそれをインド旅行中に読んだのですが、これがひっじょーーーーーーに面白かった。なので、今回はインド旅行記だ!と非常に楽しみに読み始めたわけですが、
つらい。つらすぎる。
なんと、マイケルが中年の危機、家族の危機、アルコール依存症の危機で完全に抑うつ状態。美味しいものを味わってる文章もキレがない。多分、もう美味しいものすら「味わって」ない。お料理に関することを書いてきた人ですし、コルドンブルーで修行もした人だから確かに描写はできる。でも、そこにエキサイトしている様子が感じられない。
日本で日本料理(B級料理から料亭の味まで)を楽しんでいたときは、見るもの口にするもの出会うものすべてに興奮し、お料理をじっくりと吟味していた描写が本当に面白かった。あの文章を書いた人と同じ人物とは思えない平坦な文章は、ちっとも食べ物が美味しそうでもなく、記憶に残らないものでした。
そしてそのどんよりぶりに焦る私の気持ちとシンクロするように、マイケルの妻リスンは彼との関係修復のためにぐいぐいと旅程を変更し、なんとマイソールでのヨガ合宿を敢行します。ここ、マイケルの側から読んでいると「流されている」感じなのですが、リスンの気持ちを思うとこれはものすごい緊急事態だったのでしょう。なんせパートナーと相談して何かを決められない、というのは致命的。それこそ危機。
で、後半はマイソールでのヨガと瞑想の日々について書かれているんですが、なんともいえない説得力に満ちていて、少し前に「40代は瞑想しろ」と書いて話題になったブログとシンクロします。そして体をコントロールできることによる身体への自信と、瞑想による平穏な内面を得た後に旅は終わります。
実は、息子が不在だった夏休み期間中、私もヨガと瞑想の合宿に参加してきました。それと、「私は何者でもない」「やりたいことがないことがつらい」と愚痴って、友達に「世の中の大半の人は何者にもなれないのよ」と檄を飛ばされたりしていました。パートナーもいないのでそんな不安を分かち合う人もいなくて、ひとりメソメソして、ヨガして、瞑想して、なんとなく平静を保っていました。
多分40代にヨガと瞑想は間違ってない(断言)
今はこの本にかかれていたマイソールのヨギのところに行きたくなっています。
久しぶりにインド旅行でも計画しちゃおうかなー。
話題になったブログ 。長いけど一読の価値あるかと思います。