また、明日。

マイペースにやってます。

本当は子供なんて欲しくなかった

ある日息子が「ほんとうは子供なんて欲しくなかったんでしょ」と言った。

 

お、おう…よく知ってんな。

 

確かに私は子供が欲しいと思ったことがなかった。自分と親との関係の中で、親は忘れていたり大したことないと思ってたことに私がものすごく傷ついたことがいくつかあり、同じような思いを子供にさせるかもしれない、それは嫌だ、というのが一番の理由だった。

 

それ以外に、自分の感情コントロールに難があるのを自覚していたので、虐待するかもしれないと思っていたし、傷つけるような言葉をぶつけるかもしれない、と思っていたから子どもをほしいと思うことはなかった。

 

それでも妊娠がわかり、産むという選択肢を選んだことで「絶対に大事にしよう」と決めてやってきた。でも、それでも喧嘩したり喚き散らしたり傷つくような言葉をぶつけたこともある。だって人間だもの(きっぱり)

 

母親としてはかなり理不尽な部類だと思う。仕事ばかりしてるし、読み聞かせする気力も体力もなくて寝てばかりだったり、出かける先は大人ばかりがいるところだとか、親が行きたいからとインドまで連れて行かれたりだとか、息子は苦労してると思う。父親もいないし。

 

だけど「育てたくない」と思ったことはない。

 

赤子の頃は「愛着もわかないし、父親といるほうが幸せになれるんじゃないか」と思ったこともある。けれども、そのときに母が「絶対に手放しちゃだめ!今はどう思ってても、あとで後悔するよ!」と珍しく強い口調で言った。そのときも「そんなもんか」と思っていたけども、今は手放さなくて良かったと心から思える。

 

私の人生に息子の存在が彩りを増やしてくれたのは間違いない。子育ては時間もお金も手間もかかるし、喧嘩はするし、面倒も多いけれど、それでも「育てたくない」と思うことは(今のところ)ない。親と子は別の人間=他人という大前提のもと、そして一緒に同じ方向を向いているのは親離れするまでの限定的な期間だしても、やはり私の人生における「味方」(一緒に世界に漕ぎ出している船の乗組員)という存在は心強い。生きていくことに対して不安を覚えていた私にとって、とても力強い軸となってくれたことは間違いがないのだ。

 

「そうだね、ずっと子どもなんてほしいと思ったことはなかったけれど、でもあなたを産んで、一緒にいられて良かったと思ってるよ。私のところに来てくれてありがとう。」

 

そう伝えた。 


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