栗ごはん、それは甘美なたべもの…。
死ぬ前に食べるもののリクエストができるならば、
春はグリーンピースごはん
秋は栗ごはん
と決めている。もう10年以上、このリクエストメニューに変更はない。
一度に6膳ペロリといけるくらい好き。味のバランスが最高。
私の好きな栗ごはんはもち米の入ったおこわではなく、甘露煮を使った甘い栗でもない。普通の白米に生の栗を剥いて入れ、お醤油でほんのり味付けした栗ごはんでなくてはいけません。少し塩気のあるかために炊いたご飯と、栗の自然な甘み、そしてホロっと崩れる栗の食感が醸し出すハーモニー...!
グリーンピースのほうは塩味で、生の房から取り出した豆を一緒に炊き込むタイプのものでなきゃダメ。塩味と、ほわっと香るお酒の香り。そして青く香りたつグリーンピースのアンサンブル…!
でもバンコクだと生栗も房にはいった生のグリーンピースもみかけないので、なかなかここでこの望みを達成するのは難しい。いや、たぶん探せば手に入るんだろう。探し方が足りないのかもしれない。もしくは北部では栗が買えるという話も聞くので、買い出しに行けばいいのだ。
どちらのごはんも季節が限定されるというのもいい。旬の味覚の最たるものだ。季節感のあるたべものだからこそ、栗ごはんとグリーンピースごはんの香りと共に、外の少しひんやりする空気も思い出す。季節が与えてくれた恵み…!
次にいつお目にかかれるかわからない栗ごはんだけれど、死ぬ前にはきっともう一度会えると信じてる。